算命学の窓

星ごとの解説

貫索星(かんさくせい)とは

貫索星(かんさくせい)は、一本の木がその場に根を張って立ち続けるような、守りの星です。五行では木性の陽、方位は東、五つの本能のうち守備本能にあたります。

自分の軸を曲げずにこつこつ続ける粘り強さが持ち味で、ひとりで進める作業や、長く掘り下げる専門の道で力を発揮しやすいとされます。その分、いったん決めたことを変えるのは苦手で、周囲には頑固に映ることもあります。人と群れるより、自分のペースを保てる環境で良さが生きる星です。

なぜ「自我の星」と呼ばれるのか

十大主星は、日干(にっかん)——その人自身を表す気——と、命式の中にある他の気との関係で決まります。相手を助ける関係か、抑える関係か、助けられる関係か。その組み合わせを十種類に整理したものが十大主星です。

貫索星は、そのうち日干とまったく同じ気があるときに現れます。自分の中に、もうひとりの自分がいる。だから貫索星は、自我・独立・頑固・ライバルといった意味を持つとされます。

そしてここが大切なところですが、同じ気どうしは反発します。陰と陽なら引き合いますが、陽と陽、陰と陰は押し合う。貫索星の頑固さや、人に合わせきれない性質は、この反発から来ています。自分と同じものを見ると意識してしまう。これが人に向けば「ライバル」になり、自分に向けば「譲れない芯」になります。

人体図のどこに出るか

同じ貫索星でも、人体星図のどの位置に出ているかで、現れ方が変わります。

中央(人生観)にあるとき。心の真ん中に、簡単には動かない一本の芯が通っています。もともと争いを好まないため、人の意見には柔らかく相槌を打って受け流しながら、舵は最後まで自分の手から離さない処世が身についているとされます。いっぽうで、その芯の固さは、新しいやり方を受け入れるまでに時間がかかる面にもつながります。急がされる場面では即答せず、考える時間をもらう工夫が、この星に合っています。

北(目上・親)にあるとき。目上の人や親に対して、素直に従うより、自分の考えを立てて向き合う形になりやすい配置です。上の人に流されないぶん、信頼を得るまでに時間がかかることもありますが、一度築いた関係は長持ちします。反発として出すより「任せてもらう」形に持ち込めると、持ち前の粘りが評価につながりやすくなります。

東(仕事)にあるとき。仕事の場では、マイペースが何よりの武器になる配置です。人に指図されるより、自分の裁量で進められる環境——自由業や専門職、任せてもらえる持ち場——で長続きしやすいとされます。逆に、細かく管理される環境では良さが出にくいので、働き方を選ぶこと自体が開運の工夫になります。

南(目下・子ども)にあるとき。目下や子どもとの間では、あれこれ言われても静かに受け流し、自分の歩幅を変えない忍耐力が持ち味の配置です。ただ、時には自分の場所を守ろうとして、子どもと張り合う形になることもあるとされます。子どもは早くから自分の足で歩きたがり、巣立ちの時期も思いのほか早く来るとされるので、張り合うより早めに一人前と認めて送り出すと、関係が穏やかに保たれます。

西(配偶者・家庭)にあるとき。家庭やパートナーとの間では、もめごとが起きても声を荒げず、静かに時が流れるのを待てる強さを持つ人です。自分から攻撃に出ることはなく、相手の話は逆らわずに最後まで受け止めますが、結論は自分で出し、決めた道を歩いていく面があるとされます。物事が順調な時ほど独断で進めやすい傾向もあるので、節目では相手の希望を取り入れたことを目に見える形で示すと、円満が長続きします。

陽転と陰転(回転法)

算命学には、回転法という見方があります。同じ星が良い方向に働くか、悪い方向に働くかを見るもので、良く働くことを陽転、悪く働くことを陰転と呼びます。ここで大事なのは、算命学が宿命そのものに良し悪しを置かないという立場を取っていることです。貫索星を持って生まれたことが良いのでも悪いのでもない。同じ星が、陽転もすれば陰転もする。そう捉えます。

どう出るか
陽転すると意識が外に向く。集団の中で自分がどの位置にいるかを把握し、そこで要となる意識が働く。芯を持ったまま周りを支える側に回れる
陰転すると意識が内にこもる。自己中心の考え方になり、独占欲が働く。人の忠告に反発し、わがままとして出る

同じ「譲らなさ」でも、前者は「ぶれない人」として信頼になり、後者は孤立を招きます。

では、どうすれば陽転するのか。貫索星は、自分を意識する星です。「私が」という気持ちが働きやすい。だからこの星は、何らかの形で「自分が場の要である」と自覚できたときに、良い方向に回り出すとされます。大げさなものである必要はありません。小さな持ち場でも、任されている、当てにされている、という実感があれば足ります。逆に、誰からも必要とされていないと感じる場所に長く置かれると、内向きに転じやすい星でもあります。

育つ環境についても、算命学は少し意外な見方をします。貫索星は、面倒を見られすぎない環境——放っておかれるくらいの中でもまれて育つほうが、忍耐力が育って陽転しやすいとされます。守られすぎると、守備本能が自分の内側だけに向いてしまうためです。環境を選ぶことがそのまま開運になる。貫索星は、その傾向がとくにはっきりした星です。

貫索星が2つ以上あるとき(二連変化)

命式の中に、同じ星が2つ以上出ることがあります。算命学ではこれを二連変化(3つなら三連変化、4つなら四連変化)と呼び、星が1つのときとは読み方を変えます。

ここで、よく誤解されている点があります。「同じ星が2つあると、こうなる」という共通のルールはありません。どの星が重なったかによって、起きることが違います。理由は五行にあります。たとえば鳳閣星が2つあると、鳳閣星がそのまま濃くなるのではなく、同じ火性で陰陽が逆の調舒星の性質が顔を出してきます。星によって、濃くなるものと、別の星の性質を帯びるものがあるのです。

貫索星の場合は、濃くなります。もともと日干とまったく同じ気を表している星なので、それが2つに増えても、別の星に変わることはありません。より頑固に、より粘り強く、より用心深くなります。自分のペースで歩みたいという気持ちが強く、集団に組みしにくくなる一方、ひとつのことを積み上げていく力はたいへん強いとされます。

3つになると、集中力はさらに際立ちます。ひとつのことを成し遂げる力は抜群です。そのかわり視野が狭くなり、柔軟性が小さくなるとされます。気持ちが一点に集まるため、感情の振れ幅も大きくなります。4つある例は、実際にはめったにありません。

貫索星が1つも無いとき

逆に、貫索星も石門星も——つまり自分と同質の五行が——命式に1つも無いこともあります。この場合、同世代への関心が薄くなるとされます。ライバルが現れても意に介さない。会社では同僚と親しくしていても、会社を出ると自然に意識から離れる。友人ができるときは、年の離れた先輩や後輩になりやすい、という見方をします。

「無いから欠けている」のではありません。算命学では、無い星を鍛えるより、ある星を伸ばすほうがよいと考えます。貫索星が無い人は、そこにこだわる必要がない、と捉えるのが本来の読み方です。

中央に貫索星がある人

人体星図の中央は、その人の人生観を表す場所です。ここに貫索星がある人として、生年月日が公表されている方の命式を挙げてみます。

生年月日貫索星の位置
松本潤1983年8月30日中央・南
吉田沙保里1982年10月5日中央・東

お二人とも、中央に加えてもう1か所に貫索星を持つ二連変化の形です。ひとつの場所に長く身を置いて積み上げていく、貫索星の持ち味が表れている例として見ることができます。命式はその人の可能性を示すもので、こうなると決まっているわけではありませんが、同じ星を持つ人には、活かし方の手がかりになるかもしれません。

貫索星の人と接するとき

貫索星が強く出ている人と付き合うときは、次のように見ると分かりやすくなります。

あわせて読む:十大主星とは陰占・陽占と人体星図の見方

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