算命学の窓

運気の流れ

天中殺とは・過ごし方

天中殺(てんちゅうさつ)は、12年のうち2年間、誰にでも平等にめぐってくる「天が味方しにくい」とされる期間です。生まれ日の干支によって6つのタイプに分かれ、どの年がその期間にあたるかが決まっています。

なぜ起きるのか ── 十干と十二支の「2つのズレ」

算命学では、めぐっていく時間を十二支(子・丑・寅…の12)で、ものごとの姿である空間を十干(甲・乙・丙…の10)で表します。日にも年にも、この2つを1組にして名前をつけていきます。甲子、乙丑、丙寅……という具合です。

ところが十二支は12あるのに、十干は10しかありません。頭からそろえて組ませていくと、十干のほうが先に尽きてしまい、十二支が2つだけ余ります。この2支には、組む相手の干がありません。

時間=十二支(12ある)空間=十干(10しかない)この2つには干がつかない=天中殺
甲子から順に組ませた場合。十干が癸で尽きるので、戌と亥の2支が干のないまま残る

算命学はこれを、時間(十二支)はあるのに空間(十干)が欠けた状態と捉えます。時間だけが進んでいくのに、それを受けとめる空間がない。この「はみ出した2つ分」が天中殺です。天中殺を空亡(くうぼう)とも呼ぶのは、そこが空いているからです。

10ずつ6組に分かれる

十干と十二支の組み合わせは全部で60通りあり、これを六十干支といいます。60を10ずつ区切ると6つの組になり、組ごとに余る2支が入れかわっていきます。この6組が、そのまま6つの天中殺です。

その組の干支干がつかない2支
1組目甲子 〜 癸酉戌・亥=戌亥天中殺
2組目甲戌 〜 癸未申・酉=申酉天中殺
3組目甲申 〜 癸巳午・未=午未天中殺
4組目甲午 〜 癸卯辰・巳=辰巳天中殺
5組目甲辰 〜 癸丑寅・卯=寅卯天中殺
6組目甲寅 〜 癸亥子・丑=子丑天中殺

どの組に入るかは、生まれた日の干支で決まります。生まれた日の干支が属する組で余っている2支が、その人の天中殺です。60通りを10ずつに分けているので、6タイプに分かれ、誰でも必ずどれか1つにあたります。

  • 子丑天中殺
  • 寅卯天中殺
  • 辰巳天中殺
  • 午未天中殺
  • 申酉天中殺
  • 戌亥天中殺
12の支は、となりあう2つずつ6組に分かれる。どの2つが欠けるかは人によって違う

6つのタイプと、あたる年

タイプ天中殺にあたる年
子丑天中殺子年・丑年
寅卯天中殺寅年・卯年
辰巳天中殺辰年・巳年
午未天中殺午年・未年
申酉天中殺申年・酉年
戌亥天中殺戌年・亥年

「悪いことが起きる年」ではありません

天中殺は「悪いことが起きる年」と誤解されがちですが、基本の考え方は「新しいことを始めるより、力を蓄える時期」です。勉強や趣味、内面の充実には、むしろ向いた期間とされます。次のステージへの準備期間ととらえるのが、算命学の基本姿勢です。

過ごし方の基本

では実際に、何をして、何を待てばいいのか。避けようがないものなので、こわがって縮こまるより、「動き方を変える2年」と考えるほうが役に立ちます。ここから先は、場面ごとの考え方をまとめます。

覚えるのではなく、3つの軸で考える

「これは良い・これは悪い」と一つずつ暗記すると、際限がありません。天中殺の言い伝えは、次の3つの軸でだいたい説明がつきます。

向くとされる側避けるとされる側
自力か、他力か他力(辞令・自然な流れ)自力(自分の欲から動く)
始めるか、手放すか手放す・縮小する始める・広げる
有形か、無形か無形(学び・精神・縁)有形(土地・建物・お金)

たとえば「会社の命令による転勤(他力)」は問題なく、「収入を上げたくて自分で決める転職(自力)」は避けたほうがよいとされます。同じ引っ越しでも、どちら側かで扱いが変わるわけです。

この時期に向いていること

慎重にしたほうがよいとされること

場面別の考え方

場面算命学での考え方
転職収入や名誉を求めて自分から動くのは避け、会社からの辞令や指名には素直に従うとよいとされます
独立・事業新しく起こす・広げるのは明けてから。縮小や撤退はむしろ進めやすいとされます
転勤・異動他力にあたるので問題ないとされます。「自分を無にして従う」のが災い除けと言われます
住まい転勤にともなう引っ越しは可。新築や、希望から動く引っ越しは明けてから。内装や模様替えだけなら差し支えないとされます
土地土地のまま使うなら差し支えないとされます。家を建てる目的での購入は明けてからとされます
結婚恋愛やお見合いそのものは可。婚約・結納はセレモニーなので可。式と入籍は明けてからとされます
別れ手放す側なので、離婚そのものは差し支えないとされます。ただし条件の話し合いはまとまりにくいとも言われます
受験・留学大学受験は影響が出やすいとされ、第二志望も受けておくと安心。長期の単身留学より、短期や誰かと一緒のほうが無難とされます
お金借りるのも貸すのも慎重に。返済の予定が狂いやすいとされます。貸すなら、返ってこなくても相手を憎まずにすむ額までと言われます
健康検査や治療は任せる姿勢がよいとされ、自分の判断で病院や担当を次々に変えないほうがよいと言われます

ここに書いたのは、あくまで算命学に伝わる考え方です。体の不調や治療の判断は、占いではなく医療の専門家にご相談ください。

もう始めてしまったときは

天中殺のあいだに何かを始めてしまった場合、あわてて畳む必要はないとされます。基本は「明けるまで現状維持」。そのうえで、明けてから場所や名前を変えて仕切り直すとよいと言われます。この時期の就職も、明けたころに嫌気がさしやすいとされますが、辞めずに続けるのが基本です。

入る前の「お知らせ」

天中殺に入る2年ほど前から、遅くとも半年前には、これから起きることの芽にあたる小さな出来事が起こるとされ、「お知らせ現象」と呼ばれます。転職したい気持ちが強く湧いてくる、車にいたずらをされる、大切にしていた物をなくす、といったものです。

たとえば「転職したい気持ちが湧いたら、天中殺に入る前に済ませておく」「気になることがあれば先に備えておく」といった具合に、不安の種にするのではなく、早めに手を打つきっかけととらえるのが本来の使い方とされます。

こわがりすぎないために

天中殺は、誰にでも同じようにめぐってきます。特別に運の悪い人にだけ起こるものではありません。ここで蓄えたものが、明けてからの動き出しを支えると考えます。良し悪しではなく、時期に合った動き方があるだけ、ととらえてください。

自分の天中殺がいつなのかは、命式を出すと確認できます。計算結果の年運表では天中殺にあたる年を赤字で示し、最後の章では12年周期の運気の波(天中殺バイオリズム)をグラフで表示しています。

あわせて読む:算命学とは(陰陽論と五行論)年運とは大運と大運天中殺はじめての命式の見方

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